眼鏡販売大手のジンズは2021年4月29日、創業の地である群馬県前橋市に同社最大の延べ面積となる新施設「JINS PARK(ジンズ パーク)」を開業する。眼鏡の販売に加え、ジンズが新たに手掛ける飲食事業のベーカリーカフェを併設する。
ロードサイドにある約1720m2の敷地には建物の他に、誰でも利用できる屋外広場を設ける。施設内には腰かけられる大階段や吹き抜けスペース、屋上テラスを配置する。延べ面積は約499m2。
地域住民の交流が生まれる場の提供を目指し、施設のおよそ半分を公園のような機能に割いたのが特徴だ。こうした施設の構成が、JINS PARKの名の由来になっている。
JINS PARKを設計したのは、永山祐子氏が代表を務める永山祐子建築設計(東京・新宿)である。建物は地上2階建てで、構造は鉄骨造だ。施工は冬木工業(群馬県高崎市)とスペースが担当した。
建物は大小2つの三角形をつなげたような、ひし形の平面計画にした。エントランスがある大きい三角形部分には、入り口に向かって傾斜する屋根を架けた。中に入ると、三角形の大階段がある空間が広がる。一方、奥(北側)の小さい三角形部分には屋根がなく、屋上のテラスには木を植えている。
屋根と建物上部の外壁は、幅が異なる硫化銅板で覆った。1階はガラス張りで透明なので、銅の塊が浮いているように見える。正面からは三角形の茶色い屋根が架かった建物に見え、ロードサイドで存在感を放つ。銅板は光が当たると輝きを増す。
1階のエントランスを抜けると、空につながるような大階段が目に飛び込んでくる。扇状に広がる大階段は「丘に腰かけられるような場所」とし、施設の真ん中に配置した。所々にクッションが置かれている。
大階段はそのまま2階の吹き抜けスペース(2階ホール)、屋上テラス「うえひろば」に続く。建物の四角いボリュームを対角線で2つに分割し、片方を吹き抜けに、もう片方をテラスにした格好だ。
芝生の屋外広場「ひろば」に面する1階の大開口を開け放つと、広場と店舗、大階段、吹き抜けスペースが仕切りなくつながる。
大階段の向かって右側に眼鏡店「JINS 前橋店」、左側にベーカリーカフェ「エブリパン 前橋店」を配置する。正面の大階段と左右の店舗で、施設内に立体的な「三差路」をつくった。裏動線はつながっており、眼鏡売り場とパン売り場を回遊できるようにしている。





























































