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連載「佐藤太郎のひと間から始める“シアター生活”」

ヤマハのワイヤレスヘッドホン「YH-L500A」とタブレットなら家でも移動先でもサラウンドを楽しめる

公開日 2025/10/07 06:30 佐藤太郎
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VODサービスが普及した昨今、室内はもちろん、移動中や移動先でもスマートフォンやタブレットを片手にコンテンツを楽しんでいる方をよく見かける。筆者もそのひとりで、暇さえあればタブレットで映像コンテンツを楽しんでいる。

映像コンテンツに対して、より没入感・臨場感を高めることを考えると、タブレットと組み合わせるイヤホンやヘッドホンが悩みどころだ。そこで、2025年4月に発売されたヤマハのワイヤレスヘッドホン「YH-L500A」をタブレットに組み合わせて、映像再生の臨場感アップにトライしてみた。

ヤマハ「YH-L500A」 オープン価格(想定実勢税込価格25,000円前後)

2ch音源を5.1ch化するヘッドホン・ヤマハ「YH-L500A

YH-L500Aは有線接続にも対応するワイヤレスヘッドホン。2ch音源を5.1ch化する「サウンドフィールドモード」を搭載している点が本モデルならではであり、デバイスやソースに左右されることなく手軽にサラウンドを楽しめるのが大きな魅力だ。

さらに、最大20時間の連続再生ができるロングバッテリーも特徴であり、室内でも充電を気にせず楽しめるし、移動先に持ち出しても安心して使えそうだ。操作は、本体に備わっているボタンのほか、専用アプリ「Headphone Control」にて行えるため、スマホ/タブレットとの親和性も非常に高いのもメリットである。

今回、YH-L500Aのサウンドをチェックするべく、筆者愛用の「iPad Pro 13インチ(M4Wi-Fi 512GB」と組みわわせて、映像コンテンツの視聴を実施してみた。

「iPad Pro 13インチ(M4)Wi-Fi 512GB」と組み合わせて音質・使い心地をチェック!

まずは「サウンドフィールドモード」の音質を検証  

まずは、「サウンドフィールドモード」をオフの状態で聴いてみた。YouTube Musicで森口博子『銀色ドレス(オーケストラ・ヴァージョン)』を再生してみると、ボーカルやバックバンドの音像定位が良く、特に弦楽器やボーカルのクリアで艶やかな響きには驚いた。とても素性の良いヘッドホンであることがわかる。

「サウンドフィールドモード」オフ時、7種類(うちカスタム2枠)のEQが選択可能

次に「サウンドフィールドモード」の「CINEMA」を選択して、アニメ映画『劇場版ウマ娘プリティーダービー新時代の扉』(Amazon Prime)を視聴。

五大クラシックレースの1つ東京優駿でそれぞれのウマ娘が走るシーン(55:40〜)では、レーススタート前、中央競馬の場内に広がるトランペットやアナウンスが四方から鳴り響き、実際に会場にいるかのように再現された。

レーススタート後、疾走するウマ娘たちの爪音が右から左へ駆け抜け、コーナーを回る際は音が旋回し、観客の歓声は突き抜けるように響く。解像感も高く、音の位置関係がしっかり再現され、立体感のあるサウンド体験ができた。

「サウンドフィールドモード」は「シネマ」と「ミュージック」の2種類から選ぶことができる

「サウンドフィールドモード」の「MUSIC」を選択して、Adoのライブ映像『風のゆくえ(EXPO 2025 大阪・関西万博)』(YouTube)を視聴。開放感のある空間表現で、目の前に広いライブ会場が広がっているようだ。

ライブ特有の残響や音圧も再現してくれるので、目の前で演奏しているかのようなリアリティを感じた。ボーカル、楽器、歓声といったさまざまな音をしっかり分離してくれるので濁りもない。

図書館、カフェ、電車… 実際に持ち出してみた!

実際に外に持ち出して、使い心地を検証してみた

いよいよ、外に持ち出して使ってみた。まずは、図書館と勤務先の休み時間という比較的静かな環境。再生してみると、一般的なイヤホンを使うよりも映像コンテンツにぐっと引き込まれ、自分だけのパーソナル空間にいるような気分になった。

電車の中やカフェのようなノイズの多い環境でも検証してみる。ノイズキャンセリング非搭載のため外音を完全には外音を排除できないが、イヤーパッドが厚めになっており、耳を包み込んでくれるのである程度の遮音性は確保できた。加えてボリュームを上げれば、十分に楽しむことができる。

上位機種「YH-L700A」にはアクティブノイズキャンセリング機能が備わっているので、外音を完全に遮断したいという方にはそちらもおすすめだ。

装着感も快適だ。上述したイヤーパット、傾斜の施されたハウジング、厚みのあるヘッドバンドといった工夫が採用されているので、屋外での長時間の連続使用でも頭や耳が痛くなることはなかった。

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厚みのあるイヤーパッドはクッション性◎
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ヘッドバンドは長さ調節可能

1つ注意点は、「Headphone Control」がiPadのサイズに対応していないこと。操作自体は問題なくできるが、大きい画面のタブレットと組み合わせた際にアプリ画面がスマートフォンのサイズで表示される。筆者のiPadには表示画面を2倍程度に拡大するボタンが搭載されているので、それを使うと見やすい大きさになった。

アプリはiPadの画面サイズに非対応。右がデフォルト表示。左が拡大表示。操作は問題なく行える

タブレットユーザーなら必携。コスパも◎

YH-L500Aをタブレットと組み合わせ、外に持ち出して試聴してみたが、「サウンドフィールドモード」で得られる没入感とタブレットのモバイル性が相まって、移動した先々がパーソナルな視聴空間になった。実売25,000円前後でコスパもよく、タブレットユーザーにはおすすめできるヘッドホンだ。ぜひ試してみてほしい。

SPEC

ヤマハ「YH-L500A」

●ドライバー口径:40mm径 ●周波数特性:20Hz - 20kHz ●Bluetooth:バージョン5.4 ●コーデック:SBC/AAC/aptX adaptive ●プロファイル:A2DP/AVRCP/HFP ●マルチポイント接続:あり ●質量:265g ●付属品:USB Type-A to C給電ケーブル(30cm)/3.5mmステレオミニケーブル(3m)

 

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