2026年の注目点、米利下げの先を読む 潜む円高・ドル安リスク
2026年のマーケットの予想をしてみたい。大きな変化を巻き起こすイベントとして挙げられるのは、①米利下げ、②ウクライナ和平、③日中外交摩擦の終結の3つである。もちろん、②と③は確かなことではない。より確実視されるのは、米連邦準備理事会(FRB)議長を交代させて、トランプ大統領が追加利下げを進めさせるシナリオである。 米大統領にとって、26年11月には中間選挙が待ち構えている。だから、共和党を有利
シニア期、人生の質を左右する住まい 情報収集や活用法の確認を
リタイア後、住まいで過ごす時間はどう変わる? 現役時代、私たちはどれくらい家で過ごしているでしょうか。 例えば、片道1時間の通勤、週5日勤務、9時〜18時の仕事をしていると、平日は通勤2時間+勤務9時間=11時間が家の外での活動になります。週単位で見ると、家の外で過ごす時間は55時間、家の中は113時間です。 ところが、リタイア後はどうでしょうか。仕事も通勤もなくなり、(趣味やボランティア活動な
相続や遺贈、遺言書の有無が重要な分岐点 感情的な対立避ける
このシリーズでは、創業60周年を迎えたレガシィマネジメントグループが対応してきた数多くの事案の中から、100億円相続の実例を取り上げ、その特徴を整理するとともに相続の本質に迫る。第5回は、100億円規模の富裕層における「遺言」と「遺贈」をテーマに論じる。 100億円相続における遺贈、現実的な手段に そもそも遺贈とは、遺言により自分の財産を特定の個人や法人・団体に無償で譲ることである。遺産を渡す側
眠る2000兆円、動かすのは個人の年代別目標資産額の設定
最近の株価上昇で、資産額が増えてうれしく感じている人は多いでしょう。資産形成期においては資産を増やすことが目標ですから、株高はその達成を後押ししてくれます。しかし、これはあくまでも現役世代の目線です。退職層または資産活用層になると、資産は使うことで減っていきますから常にその減少が気になってしまうものです。 資産が減ると満足度が下がる フィンウェル研究所が行った「60代6000人の声」アンケートの
生前贈与の活用で次世代に資産を残す
2013年の税制改正で、「社会保障と税の一体改革」の一環として相続税がかかる範囲が広がり、相続税の基礎控除額は「5000万円+1000万円×法定相続人の数」から、「3000万円+600万円×法定相続人の数」に改正されました。その結果、財務省のデータによると、当時相続税がかかるのは亡くなった方の4%程度に過ぎなかったものが、23年度は9.9%程度に増えています。 そのため、相続対策として生前贈与を
富裕層が好む債券投資 リターン落ちても安定志向
有価証券投資の代表的な投資先としては株式と債券があげられます。株式投資は資産形成の積立投資、個別株式投資などで経験があったりしますし、それほど興味がない人でもメディアで日経平均株価などの情報は聞いたことがある人もいるでしょう。 しかし、アドバイザーとして活動していると債券投資については「まだよくわからない」という方ばかりだと感じています。2000年代半ばぐらいまで個人向け国債を各金融機関が力を入
「高市時代」、頭の痛いインフレ加速
高市早苗首相の経済政策が、単なるアベノミクス復活であるならば、インフレは加速して格差拡大がさらに進むだろう。自分の資産運用も、それを見越してインフレ防衛型にシフトしなくてはいけない。しかし、日経平均株価は5万円程度に達しており、新たに投資するにはやや高過ぎる水準との見方もある。そこが頭の痛いところだ。 「アベノミクス復活」と聞いて、少し違うのではないかと感じるのは、経済の局面が当時と今とで著しく
増える相続トラブル、不動産は要注意
近年、遺産相続をめぐるトラブルが増えています。2024年の司法統計によると、全国の家庭裁判所で新たに受け付けた遺産分割調停の件数は約1万7000件に上り、増加傾向が続いています。 トラブルの原因になりやすいのが「不動産」です。不動産は現金のように簡単に分けられないため、特に親と同居していた子がいる場合などは、意見の対立が起こりやすくなります。売却して現金で分ける方法もありますが、売却そのものに賛
特定口座内の配当、申告の要否を掘り下げる
前回(8月28日公開)は、特定口座内株式を譲渡した場合における確定申告について紹介しました。今回は、譲渡と並んで悩ましい、特定口座内の配当の確定申告について掘り下げてみます。 配当を申告するのはどんな時? 個人が支払いを受ける配当金は配当所得に該当します。上場株式等の配当等は、配当時に20.315%(所得税15.315%および住民税5%)が源泉徴収されているため、申告せずとも課税は完了しています
ペアローン、「1人」でも堪えられる将来設計を
「うちの子、結婚して落ち着いたと思ったら、今度はペアローンで家を買うって言い出して…」 そんな話を最近よく耳にします。共働きで住宅ローンを組む「ペアローン」は、若い世代の住宅取得手段として定着しつつあります。親としては応援したい気持ちと、心配な気持ちが入り交じる複雑な局面です。 さて、どう助言すればよいのでしょうか。 若い世代ほどペアローン利用率が高い 三井住友トラスト・資産のミライ研究所が20