味の素株、反転レシピは冷食てこ入れ 半導体材料は好調維持
味の素(2802)の株価がさえない。11月6日に発表した2025年4〜9月期の決算内容が市場予想に届かなかったことから急落し、その後の戻りも鈍くなっている。半導体向け電子材料は好調を維持しており、冷凍食品や加工用うま味調味料といった苦戦する事業のてこ入れが進むかが焦点となっている。 12日の終値は前日比63円(2%)高の3366円。11月5日につけた株式分割考慮後の上場来高値となる4544円から
三菱重工株変調 「見た目悪い」通期予想、頼みはガスタービン
高値を謳歌してきた三菱重工業(7011)株に変調が訪れている。11月に2026年3月通期の売上高にあたる売上収益予想を上方修正した一方、事業利益と純利益の予想を据え置いた。フォークリフト子会社を巡る事業再編などが響いており、総じて「見た目の悪さ」が売りにつながった。もっとも、同社の柱である発電用ガスタービンに力強さがあり、株価には見直し余地がある。 株価は足元で4000円程度。11月4日の上場来
低迷の日産自動車株 進むリストラ策、待たれる新車ヒット
日産自動車(7201)の株価が低迷している。リストラ策を着実に進めているものの、新車販売の好転の兆しがまだ見えていない。2027年度までの投入を明らかにしている9車種を含むいずれかの新型車でヒットを生み、いい意味で市場の期待を裏切れるか。日産の底力が試される。 28日の終値は384円20銭だった。7月10日に09年3月以来の安値となる299円をつけて、24年末比4割近く下落した。その後に300円
最高値迫る三井物産株 資源に底力、安定成長へ生活分野カギ
三井物産(8031)の株価が1年半前につけた上場来高値に迫っている。金属とエネルギーのセグメントによる資源分野が底力を見せ、2026年3月期の連結純利益を上方修正した。株主還元の拡充も後押し材料だ。それでも時価総額では総合商社3位にとどまる。市場の評価を高めていくには一段の成長戦略が必要で、比較的安定性のある非資源、中でも生活分野がカギを握る。 株価は21日の終値で3988円。5日正午に26年3
パンパシHD株が上場来高値圏、先行きのカギは「ドンキの食品強化店」
ディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)の株価が上場来高値圏でもみ合っている。8月に発表した好決算や今後10年にわたる長期経営計画に伴う成長期待が株高につながったが、材料出尽くし感があり上値が重い。先行きを占う上での注目点は2026年から展開する「ドンキの食品強化店」の成否だ。 食品販売主体の新ブランド店では売り上げ構成比で食
スバル、関税引き下げ・円安が買い材料 EV戦略は転換か
SUBARU(スバル、7270)の株価が年初来高値圏で推移している。米国のトランプ政権による自動車関税引き下げや、足元の円安進行が業績の追い風になるとの見方が買い材料だ。世界的に電気自動車(EV)の成長が減速するなか、10日に予定する2025年4〜9月期の決算発表では今後のEV戦略についての発信も注目を集めそうだ。 7日の終値は前日比26円(1%)高の3309円。日経平均株価が600円超下落した
ヤマダHD株さえず 「くらしまるごと」大型店攻勢に漂う不安
ヤマダホールディングス(HD、9831)の株価がさえない。新型コロナウイルス禍での家電特需があった2021年3月期以降、業績が振るわない。30年3月期までの中期経営計画で、家電を軸にした「くらしまるごと」戦略の要となる大型店舗網拡大で収益力向上を目指しているが、市場には慎重な見方が横たわっている。株主還元の強化とともに成果を示していく必要がある。 株価は460円程度で推移している。巣ごもり消費で
デンカ、米国工場「停止」で株価反転 注目は全事業の取捨選択
デンカ(4061)の株価が長期低落傾向から抜け出そうとしている。業績不振の主因だった米国子会社の合成ゴム工場について、期限を定めない「暫定停止」と決め、本格反転の兆しが見え始めた。アナリストの中には赤字が続いた米国工場に対する決断で採算性の改善を見込む声がある。デンカが全事業を対象に継続か撤退を決める取り組みに乗り出した点にも注目が集まっている。 赤字続きの米国工場「暫定停止」で株価下げ止まり
東ガス株、強気還元に疑念 エリオット保有比率引き下げも重荷
東京ガス(9531)の株価に先行き不透明感が広がっている。2024年11月までに米国のアクティビスト(物言う株主)、エリオット・マネジメントが5%強の株式を保有したことで東ガスは株主還元を一段と増やし、株価も上昇してきたが、エリオットは4月までに保有比率を5%未満に引き下げた。東ガスをウオッチするアナリストの視線は、10月29日に発表を予定する新中期経営計画での株主還元方針に集まっている。 電力
最高値圏の三菱電機株、防衛で増益期待 データ事業強化も好感
三菱電機(6503)の株価が最高値圏で上昇基調をたどっている。2026年3月期に3年連続の過去最高益を見込む中、政府の予算増額も背景に防衛を軸とした増益期待が強まっている。同社として過去最大額での米社買収によるデータ活用事業の成長戦略も好感されている。 株価は足元3900円程度で推移している。米国が相互関税を発表して相場全体に下押し圧力がかかっていた4月上旬の直近安値から7割程度高い水準にあり、