クオールHD専務「製薬事業が成長の柱、海外M&A視野」
調剤薬局大手のクオールホールディングス(3034、HD)は2031年3月期を最終年度とする中期経営計画で、連結売上高を前期(25年3月期)実績比で倍近い5000億円に引き上げる目標を掲げた。調剤報酬改定が薬局経営に逆風となるなか、製薬事業を成長の柱に据え、海外でのM&A(合併・買収)も視野に入れる。石井孝芳専務に今後の戦略を聞いた。 ――今後5年で売上高を9割増とする計画です。子会社の第一三共エ
住友商事常務「航空機のライフサイクルから収益」 米リース買収
住友商事(8053)は2026年に米投資ファンドなどと共同で航空機リース大手の米エアリースを買収する。住友商事としては同発表まで過去最大だった米タイヤ販売のTBCコーポレーション(05年、約1200億円)を超える約3000億円の投資で、市場には驚きが広がった。巨額投資の背景や勝算を、住友商事の輸送機・建機グループ最高経営責任者(CEO)の日下貴雄常務に聞いた。 ――今回の巨額投資を決めた理由は。
三菱化工機「3年で売上高1.5倍」のそろばん勘定 水素技術に注力
プラントや化学装置の大手、三菱化工機(6331)の業績が急拡大している。2026年3月期の連結純利益は前期比10%増の53億円、売上高は43%増の845億円を見込む。成長の原動力になっているのが水素製造装置だ。水素関連が育成段階にとどまる企業が多いなか、三菱化工機の成功ぶりは際立つ。田中利一社長に背景や今後の戦略を聞いた。 ――クリーンエネルギーやバイオガス、二酸化炭素(CO2)回収など、循環型
カルビー、 海外売上高3割へ 「委託含め現地生産を拡大」
カルビー(2229)は海外売上高比率を2025年3月期の25%から26年3月期に30〜35%にする目標を掲げる。現地メーカーへの委託を含めた現地生産の拡大をてこに海外事業を成長させ、収益拡大のエンジンとする方針だ。足元の戦略を田邉和宏最高財務責任者(CFO)に聞いた。 ――トランプ関税にどのように対応しますか。 「そもそもスナック菓子は袋に空気を多く含むため運送効率が悪い。ある程度の規模が出たら
上新電機社長「阪神優勝セールの成果いかし反転攻勢へ」
関西地盤の家電量販店「Joshin(ジョーシン)」を展開する上新電機(8173)が業績面でさえない。これまでの家電販売の不振で、2026年3月期の連結業績予想が中期経営計画の最終年度の今期目標に届いていない。プロ野球・阪神タイガースのオフィシャルスポンサーとしてセ・リーグ優勝セールは好調で、これを次の成長につなげるなどとする高橋徹也社長に戦略を聞いた。 ――今期の業績予想は売上高が前期比0.2%
freee坪井CFO「成長投資を継続、市場開拓の余地大きい」
クラウド会計ソフトを手掛けるfreee(フリー、4478)は2025年6月期(前期)に初の最終黒字を達成し、新たに2028年6月期までに「売上高成長率と売上高に対する調整後フリーキャッシュフローの比率(FCFマージン)の合計で40%」という目標を掲げた。市場の注目点が利益額に移るなかで、今後も高成長を維持できるのか。坪井亜美・最高財務責任者(CFO)に聞いた。 ――前期は初の最終黒字でしたが、決
出光興産の坂田CFO「ROE10%へあらゆる利益積み上げ」
出光興産(5019)の株価が力強さを欠く。同業のENEOSホールディングス(5020)やコスモエネルギーホールディングス(5021)に比べて足元で分かりやすい買い材料がなく、相対的に存在感が弱まっているのが原因だ。4月に最高財務責任者(CFO)に就いた坂田貴志常務執行役員に打開策を聞いた。 ――株価が4月の米関税ショックで下げて以降、戻りきっていません。 「5月に公表した2026年3月期の業績予
太陽誘電社長「AIサーバー向け部品需要に期待、技術で優位」
太陽誘電(6976)は、データセンターのサーバーに使う積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産、開発に力を入れている。消費電力が大きい生成AI(人工知能)の広がりで、情報処理を担うサーバーには高電流や高電圧に耐えながら高性能をもたらす部品が欠かせない。電子部品各社がAI関連の部品に商機を見いだす中、太陽誘電の佐瀬克也社長に戦略を聞いた。 ――AIの需要拡大の恩恵を受けるなか、業績に表れていな
ロイヤルホテル植田社長 「宿泊特化型で顧客層広げ成長」
「リーガロイヤルホテル」で親しまれてきたロイヤルホテル(9713)が、宴会場や結婚式場を備えた大型ホテルという従来のイメージの殻を破りつつある。今後力を入れる20~30代のインバウンド(訪日外国人)に向けた宿泊特化型ホテルの新ブランドは今後5年で7軒程度の開業を想定する。新型コロナウイルス流行期に打撃を受けた経営基盤の立て直しの進捗を植田文一社長に聞いた。 ――来年以降、運営するホテルの新ブラン
GENDA片岡社長「意思決定速め、米国売上高を倍以上の1000億円に」
ゲームセンター運営のGENDA(9166)が経営体制を大きく変更した。2019年から社長を務めてきた申真衣氏が4月に退任し、会長だった片岡尚氏が社長となった。同社は「2040年に世界一のエンターテインメント企業になる」との目標を掲げ、24年から米国でも積極的なM&A(合併・買収)に乗り出している。体制変更の狙いや今後の成長戦略を片岡社長に聞いた。 ――創業以来、片岡氏と申氏のツートップ体制でした