豪ドローンシールドの株価急落 ガバナンス懸念は打ち消せず
ドローン(無人機)の検知・妨害装置を手がけるオーストラリアの防衛企業ドローンシールドの株価が乱高下している。需要拡大を見込んで株価は上昇してきたが、経営陣による保有株の大量売却や大型受注を巡る情報発信の混乱をきっかけに10月以降は急落した。ガバナンス(企業統治)の改善が課題として浮上している。 ドローンシールドは2014年創業でシドニーに本社を置く。16年から豪証券取引所(ASX)に上場している
インテル、期待先行の株価2倍 「Apple受託」観測で思惑
米半導体大手インテルの株価が上昇している。2025年初に比べると足元は約2倍の水準だ。8月以降に米政府や米エヌビディアが立て続けに出資を表明し、苦境の打開へ期待が高まった。米アップルから半導体生産を受託できるとの観測もある。ただ現時点では具体的な成果は乏しく、期待先行の様相だ。 インテルの株価は11月28日、前日比約10%高と急騰した。株価を押し上げたのは1つのSNSへの投稿だ。中国・天風国際証
台湾ヤゲオ「芝浦電子買収」で株高 次なる日本企業買収に意欲
台湾電子部品大手・国巨(ヤゲオ)の株価が高値圏にある。世界的な人工知能(AI)ブームで、性能の高い電子部品の需要が拡大している。10月に温度センサー大手の芝浦電子(6957)を傘下に収めた。事業環境や積極的なM&A(合併・買収)による成長戦略への評価が株高につながっている。 芝浦電子社長に抱きついた買収成立の記者会見 「AIが拡大する中で、熱を管理できる芝浦電子の温度センサーは重要な役割
スイスのスウォッチ、株価は戻り歩調 米関税引き下げに広がる安堵
スイスの時計メーカー、スウォッチグループの株価が戻り歩調にある。米国がスイスに一時は39%の高関税を課していたが、両国の合意で税率引き下げが決まり、先行きの業績不安が和らいだ。米国と並ぶ主要市場の中国も直近の輸出は持ち直し、株価の支援材料になっている。 スウォッチの株価は21日時点で166.5スイスフランと、2024年末とほぼ同水準だ。4月には24年末に比べて2割強安い水準まで売られ、その後もさ
英バーバリー、不振脱却へ広がる晴れ間 英国の伝統訴求
英国を代表する高級ブランド、バーバリー・グループの株価が回復基調にある。13日に発表した2025年4〜9月期決算では赤字幅が縮小し、経営不振からの脱却が進んでいることを市場に印象づけた。在庫を圧縮して値引き販売の比率を減らすなど、昨年から取り組んできた構造改革の効果が出始めている。 「我々は正しい道にいることに自信を一層深めている」。13日の決算会見でジョシュア・シュルマン最高経営責任者(CEO
アップル、サービス部門上振れで筋肉質に iPhoneも好調
アップルへの成長期待が高まっている。9月に発売した新型のiPhone(アイフォーン)17シリーズの販売が想定以上に好調との見方が広がっているためだ。10月30日に発表した2025年7〜9月期決算では、利益率の高いアプリ販売や音楽・動画配信のサービス部門の売上高が過去最高となり、収益力の改善にも磨きがかかっている。 7〜9月期の売上高は前年同期比8%増の1024億6600万ドル(約15兆7800億
テスラ、巨額報酬案の行方に注目 増収は「織り込み済み」
電気自動車(EV)のテスラの株価は戻りに一服感が出ている。2025年7〜9月期決算では3四半期ぶりの増収となったものの、市場の目を引く新しい目標を示せなかった。米国の税控除撤廃や中国勢との競争など本業をめぐる懸念が拭えないなか、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)への巨額報酬案が6日の株主総会で可決されるかに関心が集まっている。 10月22日に発表した7〜9月期決算では売上高が前年同期比12
上値追うブラジル食肉大手ミネルバ株 中立の輸出戦略奏功
ブラジルの食肉大手ミネルバ・フーズ株が上値を追っている。トランプ米政権がブラジルに世界最高水準の50%関税を課し、同社の輸出への影響が懸念された。結果はむしろ、歴史的に中立を保ってきた輸出戦略が奏功し、中国などの需要拡大を着実に取り込んでいる。地政学的な緊張が輸出価格を押し上げる構図も業績に前向きに働いている。 世界株スコープ 世界の各国・地域の市場から1銘柄を取り上げ、注目点と今後の見通しを日経
シンガポール・テレコム、AIでの成長に水差す豪の通信障害
東南アジア最大の通信会社、シンガポール・テレコム(シングテル)の株価上昇が一服している。人工知能(AI)・データセンター(DC)事業の成長期待で10年ぶりの高値圏にあったが、オーストラリアの全額出資子会社、オプタスの深刻な通信障害が水を差した。 9月18日深夜0時半、豪州の複数の州で、オプタスの利用者が警察・消防・救急に共通の緊急番号「000」に接続できない事態が13時間続いた。この通信障害はオ
台湾デルタのタイ法人、AIブームで上場来高値圏 タイ時価総額の首位に
タイ証券取引所(SET)に上場するデルタ・エレクトロニクス・タイランドの株価が急騰している。2024年末から9割弱上昇し、上場来高値を更新した。顧客の米半導体大手エヌビディアの画像処理半導体(GPU)が使われる人工知能(AI)向けデータセンター(DC)の電源などを供給する。活発なAI投資の恩恵を受ける銘柄として注目を集めている。 世界株スコープ 世界の各国・地域の市場から1銘柄を取り上げ、注目点と