日経平均、午年の勝率は4勝4敗 2026年は「下馬評」覆せるか
2025年も残り1カ月を切った。年前半の株式市場はトランプ関税に振り回されたが、年半ば以降は関税ショックを乗り越え日米で史上最高値を更新するなど、上値を試す力強い展開となった。 予想以上に底堅い景気・企業業績に加え、AI投資ブームの到来が株価を押し上げた。日本では憲政史上初の女性首相が誕生し、「サナエノミクス」に対する期待が日本株再評価につながっている。 さて、毎年この時期に話題となるのが「干支
日経平均4万8000円台前半が株高持続の分水嶺に
11月に入って日経平均株価の調整色が強まっている。このまま調整局面が長引くのか、あるいは一過性の調整で終わり上昇が続くのか、トレンドラインを使って分析したい。 チャートは今年3月以降の週足で、ザラ場ベースで作成したもの(ローソク足)だ。 また、8月15日週の終値と9月12日週の終値を結んで前後に延長したトレンドラインもあわせて引いている。 ここでの注目は、10月3日週とその前週を境に、株価がト
週足チャートに映る円安攻防 154円突破定着で161円視野
ドル円相場は、10月4日に行われた自由民主党総裁選の後に強まった「高市トレード」による円安・ドル高で9カ月ぶりに一時154円台を回復したが、足元では上昇(ドル高)の勢いがやや鈍っている。 相場は、心理的節目の155円を超えて160円台に向けた上昇が続くかどうかの分水嶺に差し掛かっているようだ。2024年以降の週足チャートを眺めると、24年9月安値の139円58銭を1番底、25年4月安値の139円
日経平均4万5880円突破が示唆する7万円超えの長期波動
日経平均株価は4月に底打ちして以降上昇が継続している。10月初旬の高市早苗自民党総裁誕生後の高市トレードにより、4万5880円の節目を上回って以降は一段と騰勢が強まった。 4万5880円の節目とは、日経平均株価の第2次大戦後の大底である1950年の85円から1989年末のバブル期の最高値3万8915円への上げ3万8830円幅を、2009年の大底7054円から同値幅上げた値だ。 一目均衡表による分
高市株高、持続の条件は「日経平均÷ダウの1倍超え」
高市早苗氏が10月4日に自民党総裁に選出されたことを受け、積極財政や緩和的金融政策への期待から日経平均株価は47950.88円(10月7日)まで上昇した。10月6日には通貨単位は異なるが数値では日経平均(47944.76円)がダウ工業株30種平均(NYダウ、46694.97ドル)を上回った。これは2024年7月16日以来である。 日経平均をNYダウで割ったND倍率を振り返ってみると、安倍晋三政権
ドル円の一目均衡表、円安基調入りを示唆
一目均衡表は、ローソク足チャート上に描く5本の補助線で構成される。5本は転換線・基準線・遅行線・先行スパン1・先行スパン2(先行スパン1・2に挟まれた帯を雲という)と呼び、各補助線や価格とのバランスから、マーケットの方向性を分析するものだ。 ドル円を日足の一目均衡表(9月29日時点)でみると、①転換線=基準線で「解消」・②遅行線>26期間前ローソク足で「好転」・③現在値>雲で「好転」
企業の在庫積み上がり「意図的」 景気急減速の予兆か
日本株の値動きには3年前後で循環する日柄(サイクル)がある(図の弧部分)。この日柄が示唆する株価の調整局面入りや、景気の急減速の可能性を紹介したい。 3年前後の日柄を考える際、大きな背景にあるのは景気の循環に合わせて動く在庫循環だ。経済産業省が集計している鉱工業生産統計のうち「電子部品・デバイス工業」の出荷と在庫のバランスをみると、現在は在庫が増加局面にあることを示している(図のオレンジ色の折れ
日経平均のゴールデンクロス、5万円超えの中期上昇トレンドが視野
2025年8月に入り、トランプ関税への不透明感の後退や米国の利下げ観測などを手掛かりに、日米の株式市場は騰勢を強めた。日経平均株価やダウ工業株30種平均などの主要な株価指数が軒並み史上最高値を更新した。一部で警戒感もあるが、チャート面から見ると、中期的な強気シグナルが日米で相次いで点灯した点に注目したい。 ここでは日経平均を見てみよう。日足チャート上では、8月4日に75日移動平均線(以下、75
半導体規制や関税継続ならTOPIX優位続く
8月12日、日経平均株価がついに最高値を更新した。一方で東証株価指数(TOPIX)が先行して最高値を更新しており、日経平均が追いかける格好となっている。そこでTOPIX優位の理由を規模別株価指数から探ってみたい。 チャートは規模別指数に日経平均、TOPIXを加え相対化したもので基準日は昨年末だ。このチャートで注目すべきポイントは、中小型株のパフォーマンスが日経平均やTOPIX、大型株を大きく上回
移動平均に「パーフェクトオーダー」 対ユーロ円安継続示唆
対円のユーロ相場は8月1日、7月28日朝方の水準より3円近くユーロ安・円高に進んだ1ユーロ=170円台後半で引けた。週足でみると10週ぶりの陰線(週初始値と週末終値を比べてユーロ安・円高になること)引けだ。 ここで、10週ぶりの週足陰線を下落転換のシグナルと読むか、9連騰後の反落は健全な調整に過ぎないとして上昇トレンド継続と見るかで市場の見方は分かれそうだ。 筆者としては、167円台を割り込んで