隣の「10億り人」危機にひるまず、株高に酔わず 「億超え」の実像①
投資で1億円以上の資産を築いた個人投資家は「億り人」と呼ばれる。その億り人を超え、金融資産を10億円以上まで膨らませたツワモノが「10億り人」だ。1億円の先を切り開いた10億り人はどのように金融資産10億円を達成したのか、そして今後の市場をどう見ているのか。日経ヴェリタスは今回、4人の10億り人への取材と、大規模なアンケート調査で捉えた10億り人167人のデータをもとに、初めて10億り人の実像に迫
半導体「地味スゴ」企業、AIの巨人も頼る ナノの黒子たち①
日本の株式市場はいまや半導体関連株を抜きにしては語れない。アドバンテスト(6857)など値がさ株が注目される一方で、日本勢が世界シェアの3割を占める製造装置や同5割を占める材料の分野では注目度が高まっていない実力企業がまだまだある。世界で評価される半導体関連の「地味スゴ」銘柄を探っていく。 日本マイクロ、メモリー向け検査器具で世界シェア4割 「プローブカードを作るコストはどれくらいで、2026年
外食・小売り株、千客万来 目玉は「海外」「地方」 消費銘柄 今が旬①
消費関連銘柄に市場の関心が集まっている。長年の試行錯誤を経て海外事業の収益化が進んでいることに加え、国内でもデフレ時代に鍛えた効率性を武器に稼ぐ例が相次ぐ。新型コロナウイルス禍からの回復にとどまらず、さらなる成長性を秘めるのはどこか。「海外」「地方」をキーワードに今が旬の有望銘柄を探った。 11月下旬の夜7時。マレーシアの首都クアラルンプール中心部にある、しゃぶしゃぶ店「すき屋」の店舗には30~4
日本株予報、来期は「晴れ」 業績相場で再アタック①
日経平均株価は5万円の大台を達成したのもつかの間、米国での株安が波及して4万8000円台まで値を下げた。一抹の不安心理が芽生えるなか、よりどころとなるのは企業業績だ。2025年度上半期の決算がでそろい、市場は来期(26年度)の増益を先取りしはじめた。今こそ、将来の業績期待が高まった「仕入れ時」銘柄を点検しよう。 「米国に偏ったポートフォリオを見直すなかで、日本株への関心を強めている投資家が多い」。
ビットコイン、個人に「持たざるリスク」 暗号資産のリアル①
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)が長期投資の対象として注目されている。米国では上場投資信託(ETF)経由の買いが広がり、金(ゴールド)と並んで法定通貨から逃避したマネーの受け皿となっている。暗号資産全体の時価総額は600兆円に迫り、投資家にとっては「持たざるリスク」も意識される。分散投資に隠し味を加える「スパイス」として、今こそ暗号資産に着目してみよう。 「クリプトは『リアル』だ」。 10月下
グロース株で帰ってきた ドックに吹く国策の風 造船ルネサンス①
防衛の次は造船――。株式市場で造船関連株に熱い視線が注がれている。経済安全保障の根幹をなす一角として、また世界シェア7割の中国依存からの脱却を目指す米国の後押しもあり、国を挙げた支援が動き始めた。世界シェア1割まで落ち込み長らく不振にあえいだ業界に訪れた「久しぶりの春」。その現状を追った。 瀬戸内海の島々を結び、絶景のサイクリングコースとして有名なしまなみ海道。その1つ、広島県尾道市の生口島(いく
最高値を超えていけ 猛追の「2番人気」銘柄 日経平均5万円①
日経平均株価が5万円の大台を突破した。ここまでのけん引役はアドバンテスト(6857)やソフトバンクグループ(9984)など一部に集中してきたが、ここにきて、いまだ最高値に届かない「2番人気」銘柄が猛追しつつある。5万円を通過点にするには、たゆまぬ自己改革で利益成長体質を身に着けた、自律的な株高が欠かせない。 「日本の根本的な変化を手がかりにした物色の『リバーサル(逆転)』は必ず起きる」。日本株運
日経平均「年度内に5万2000円以上」4割、防衛関連なお期待 市場が読む高市内閣①
高市早苗内閣が発足した21日、日経平均株価は節目の5万円に一時迫った。日経ヴェリタスは市場専門家のネットワーク「ヴェリタス・ラウンドテーブル」で、高市新内閣の影響をどう読むか緊急調査した。日経平均の2025年度末までの高値は回答者の4割強が「5万2000円以上」を予想した。日本経済や企業のさらなる変化を期待した先高観はプロの間でも根強い。 「外国人を含めた投資家にとって、積極的な財政や投資へのコミ
最後のバリュー株、「金」に成る地方の雄は 輝く地銀株①
日本株が最高値圏にある中、最後まで残った割安株の柱が地方銀行株だ。上場地銀73行のうち、72行のPBR(株価純資産倍率)は解散価値の1倍を下回る。市場は日銀がそう遠くない時期に追加利上げに踏み切ると視野に入れている。地銀にとって本業の貸し出しに追い風だ。今こそ買える地銀株を探った。 「2024年に比べて地銀に関する質問は倍増した」。9月16〜19日にシンガポールや香港を訪問し、海外投資家との31件
それでも買える日本株 日経平均10万円へのロングラリー 高市トレードの先①
自民党の高市早苗総裁の誕生で株高が加速した。日経平均株価は一時4万8000円台まで上げ最高値を断続的に塗り替え、5万円の大台に迫った。10日の公明党の連立離脱表明で目先の政権運営は不透明さを増すものの、「高市トレード」の根っこにある企業収益期待は残る。日本株はどこまで上がるか、市場のプロに「5万円の先」の展望を聞いた。 「自民、公明両党の連立協議は決裂したが、株高の底流には企業業績の回復があり、相