台湾巡る中国との対立、日本がトランプ政権の沈黙に不満
日本政府は、中国の猛反発を招いた台湾有事に関する高市早苗首相の発言後、米国からの高市氏に対する支持のレベルが不十分であるとの不満を表明し、さらなる公式な支持を表明するよう米政府に要請した。 高市首相は、中国による台湾への武力行使が自衛隊の出動を正当化する「存立危機」事態にあたる可能性があると発言し、中国は激しくこれを非難した。日米両国の現職政府高官や元高官によると、日本政府は、米政府高官が日本へ
日本の金利上昇は世界の市場をどう揺さぶるのか?
日銀が近く再び利上げに踏み切る可能性を示したことをきっかけに、2025年に入ってからの日本国債売りが加速し、世界の金融市場が揺れている。 日銀の植田和男総裁は1日の講演で「年内の利上げに備えるよう市場に明らかに示唆した」と多くのエコノミストが受け止める発言をした。スワップ金利は3分の2程度の確率で12月に利上げがあるとの予想を織り込んだ水準で推移している。 24年まで続いたマイナス金利政策により
日本が抱く危険な幻想 「巨額債務は問題ない」
日本は長年、天文学的な額の政府債務を抱えてきた。だが、この10年間はほぼ一貫して国債利回りが低水準にとどまっていたため、巨額の債務も問題にならないという危険な幻想が生じた。高市早苗新首相が前任者らとの違いを示そうとして打ち出した経済対策は、この問題を改めて浮き彫りにしている。 重要なのは巨額債務の負担は現実に存在し、低金利はそうではないということだ。国債の金利は日銀が人為的に抑え込んできた。大量
日本と中国の無用な対立(社説)
中国の「戦狼外交」の基準に照らしても、先ごろの中国側の発言は度を越していた。「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬のちゅうちょもなく斬ってやるしかない」。中国の薛剣・駐大阪総領事は11月初めにSNSにこう投稿した。矛先が向かったのは、仮に中国が台湾を攻撃した場合、日本は軍事的な関与を検討する可能性があると発言した高市早苗首相だ。 その後、投稿は削除されたが、中国側の威圧はいっそう強まっている。日
日本の問題を物語る3つの帽子 レオ・ルイス
トヨタ自動車の豊田章男会長、天才的な野球選手の大谷翔平、腕がゴムのように伸びる漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の主人公モンキー・D・ルフィ。この大物3人が米国を席巻したことは間違いないものの、赤帽、青帽、麦わら帽というそれぞれの帽子が、日本の成功のもろさを物語っている。 最も衝撃的だったのは、豊田氏の帽子だ。「米国を再び偉大に(MAGA)」と書かれた真っ赤な野球帽は世界的に認知されている
日本と中国が台湾問題で応酬、トランプ外交のあおりも
日本と中国の首脳会談で新たな協力の時代を確認してから数日しかたっていないにもかかわらず、日中関係が混乱に陥った。台湾に関する高市早苗首相の遠慮のないもの言いに対し、中国側は脅しともとられかねない反論をぶつけた。 外交官や学者は、貿易や外交に対するトランプ米大統領の取引を重視するアプローチが地政学を大きく揺さぶる中で、アジア地域における2大経済大国が対立するのではないかという懸念が深まったと話して
トランプ氏に響いたヘビメタ愛好首相の完璧な「選曲」 レオ・ルイス
日本の首相に就任して1週間、「鉄の女」と呼ばれる高市早苗氏がヘビーメタルの熱烈なファンであることは今や周知だ。 だが、注目されていた今週のトランプ米大統領来日に向けて、日本初の女性首相はヘビメタよりも格段にソフトなトーンのプレイリストを用意して、音色や雰囲気に配慮したようだ。 具体的にはフランク・シナトラの「It Was a Very Good Year」(とても良い年だった)、リック・アストリ
日本の「鉄の女」高市早苗首相、政界を驚かせるか
1990年初頭の短い映像だ。かっちりとしたスーツ姿の若き高市早苗氏がリムジンの後部座席に座り、国会議事堂を通り過ぎる。東京の高層ビルのオフィスでダンベルを持ち上げる。他の人が立ち止まる中、高市氏が勢いよくエスカレーターを駆け上がる――。 「『これや』という、やるべきことが見つかったような気がした」。未来の首相は、米国の女性議員の下でインターンをしていた時に目覚めた政治への思いを語った。「米国の国
日本はPEファンドの次のフロンティアか
東京都港区にある迎賓館赤坂離宮は通常、各国の要人をもてなす場として使われている。ところが9月に当時の岸田文雄前首相が招いたのは異色の顔ぶれだった。米プライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドのKKRの顧客たちだ。 およそ100人の企業経営者や銀行関係者が集まった夕食会で、岸田氏はPEファンドの意義をたたえ、なぜこの国に金融の担い手が必要なのかについて熱弁を振るった。 日本にPEが参入した四
日本は「不足化」の問題を抱えている レオ・ルイス
修理屋、仕立屋、自衛隊員、船員、薬剤師、税理士、バス運転手、シェフ。どんな職業を挙げても、日本では恐らく、その担い手が危機的に不足している。それも不便を感じるレベルではなく、存亡にかかわるところまで来ている。 与党・自民党が新総裁、そしておそらく日本初の女性首相となる高市早苗氏を選んだことは歓迎すべき点も多いが、この選出に残酷な側面を感じずにはいられない(編集注、この記事は公明党が連立離脱を表明