オーストラリアのSNS禁止令、巨大テック投資家への警告(Lex)
オーストラリアは世界にブーメラン、プラスチック製の紙幣、フライトレコーダー(飛行記録装置)をもたらした。次の贈り物は16歳未満のSNS禁止だろうか。 豪州は10日、厳格な年齢確認を伴う、16歳未満のSNS利用を禁止する法律を施行した。欧州連合(EU)は若者の97%が毎日インターネットを利用していることから、これにならうことを検討中だ。デンマークはすでに規制導入間近だ。米国でさえ、SNS依存症に対
北海油田、税恩恵狙い再編・統合相次ぐ つかの間の暖(Lex)
企業の合併には、強気と大胆さを示す壮大なジェスチャーというものもあれば、過酷な環境の中で寄り添いあって暖をとろうとするわびしい試みもある。米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーを巡る争いを前者とすれば、8日に北海で結ばれた合併の合意は間違いなく後者だ。 フランスやスペイン、ノルウェー企業が相次ぎ集約 英国東方の寒冷海域で操業する石油・天然ガス会社は、「ウインドフォール(棚ぼた)税」と
欧州はウクライナを支援しないわけにはいかない(Lex)
欧州連合(EU)はウクライナの戦費調達の支援に苦労している。巨額の債務を抱えた国々は資金を拠出したがらない。EUの執行機関である欧州委員会は、最大で2100億ユーロ(約38兆円)とされるEU内で凍結されたロシアの資産を活用したウクライナへの融資案に全面的な支持をとりつけようとしている。危険なのは、何もしないことの代償の方がはるかに大きいことだ。 このことを純粋に金銭上の問題として考えてみよう。欧
Netflixのワーナー買収、悲惨な歴史はファンタジーに変わるか(Lex)
米ネットフリックスには困難なことが得意だという自負がある。そんな自信を裏付ける証拠もある。リード・ヘイスティングス氏が共同で創業した同社は当初、郵便によるDVDレンタルという破綻が避けられそうにないビジネスモデルだったが、そこから時価総額4400億ドル(約68兆円)の動画配信帝国を築き上げた。また顧客を失うことなく、定額料金を度々引き上げた。合意に至った米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディス
英中銀が銀行資本規制緩和、背後に見えるトランプ氏の影(Lex)
英国の銀行は、11月26日に発表された政府の秋季予算案に業界を狙い撃ちにした増税が盛り込まれるのを回避するため、長期にわたって精力的なロビー活動を繰り広げてきた。そしてその闘いに勝利した。さらに12月2日には、イングランド銀行(中央銀行)のベイリー総裁によって、より大きな勝利が銀行業界にもたらされた。 イングランド銀行の金融行政委員会は2日、主に株主資本で構成し、銀行がバランスシートに計上しなけ
インフルエンサー経済、ファンが支える巨大なエコシステム(Lex)
スタントマン、95歳の祖母、サイレント喜劇俳優には、自力で富を築いたことを除けば共通点はほとんどない。この3人はインフルエンサー経済の一部だ。これはオンラインコンテンツの制作者、ソーシャルメディアを運営するプラットフォーマー、広告代理店、データ分析企業が共有するエコシステムで、米ゴールドマン・サックスは2027年までにその価値が5000億ドル(約78兆円)に迫ると推定している。 オンラインコンテ
Google、市場独占の力でライバル圧倒(Lex)
目を引く数字がある。1兆3000億ドル(約200兆円)。これはグーグルの親会社アルファベットの時価総額が9月2日以降に増加した金額だ。「マグニフィセント7(M7)」と呼ばれる巨大テック7社からアルファベットを除いた6社の増加額合計のほぼ2倍に相当する。 なぜ9月2日以降なのか。グーグルの検索ビジネス独占に関して、反トラスト法(独占禁止法)を扱う米連邦地裁判事が、人工知能(AI)の時代においてはグ
銅争奪戦の激化を示すBHPのアングロ買収失敗(Lex)
家にステーキがあるのに、わざわざ高級レストランで外食する必要があるのか。豪資源大手BHPグループの投資家は疑問を抱いているかもしれない。同社は最近、英同業のアングロ・アメリカンに2度目の買収提案をしたが、失敗に終わった。アングロは銅資産が豊富で、銅はエネルギー転換や人工知能(AI)インフラを支える金属として需要が旺盛だ。しかしBHPは既に世界最大規模の銅資産を保有している。 BHPは買収にかなり
エヌビディアのAI覇権は両刃の剣(Lex)
年間売上高が2000億ドル(約31兆円)近くに上る企業が60%を超える成長率を達成する可能性がどのくらい低いかはいくら強調しても足りないだろう。しかし、これが米半導体大手エヌビディアの現実離れした財務状況だ。19日に発表した2025年8〜10月期決算で、人工知能(AI)分野を支配する同社は大企業のあらゆる常識をまたも打ち破った。この状況がいつまで続くか予測しようとする投資家は、危険を覚悟した方が
米1セント硬貨製造終了 現金の役割はさらに低下するか(Lex)
さて、ぴかぴかの新しい米国の1セント(0.01ドル=約1.57円)硬貨に別れを告げる時が来た。12日、最後の1セント硬貨が製造された。「ペニー」の呼び名を持つ小額硬貨の製造をやめるのは米国が初めてではないが、今回は現金の役割が広く議論されるなかで決まった。つまり、現金が有用かどうかは通貨によって違うということだ。米国のペニーに合理性がなくても、より高額の英国の通貨ポンドには必要性がある。 米国で