世界的消費ブランド各社、中国事業再建へ現地ファンドの出資募る
不安定な米中関係、中国の景気低迷や国内市場における競争激化を受けて、世界的な消費関連ブランド各社は中国事業の経営を引き受けてくれる現地のプライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドのパートナーを探している。 各社の動向に詳しい関係者によると、フランス発のスポーツ用品量販店であるデカトロン、米高級アイスクリームのハーゲンダッツ、米コーヒーチェーンのピーツコーヒーや欧州系のコスタコーヒー、コンビ
「ハリウッドが受けた衝撃」 ワーナー売却が映画業界に落とした影
ハリウッドの関係者にしてみれば、米ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの経営権をめぐる戦いは、いずれにせよ望ましくない2つの行き先にたどり着くようにみえる。勝者となるのは、映画ビジネスを土台からひっくり返した会社か、トランプ米大統領におもねる姿勢を隠そうともしないと業界関係者が見る企業のどちらかだ。 5日にワーナーの映画制作事業や動画配信事業を830億ドル(約13兆円)で買収すると発表した動画配
Netflix vs. パラマウント ワーナー争奪戦、政治が決定要因に
米メディア大手パラマウント・スカイダンスと動画配信大手ネットフリックスがワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の所有権をめぐって真っ向から対峙するなか、別の組織が争奪戦に向けて身構えている。トランプ政権だ。 トランプ米大統領は7日、誰が最終的にワーナーを買収するかという決定に自身が「関与する」と述べた。これにより、大統領がどちらの買い手を好むかについての臆測が飛び交った。米司法省が持つ反
EUの「欧州製品」優遇、反発受け決定延期 域内調達目標に批判
欧州連合(EU)は、一部の加盟国や執行機関である欧州委員会の部局から猛反発を受け、欧州製品を優遇する計画を2026年まで延期した。 物議を醸している計画は、自動車などの製品で中国への依存を減らすために域内調達率で最低基準を満たすよう義務付けるもので、10日に合意される予定だった。フィナンシャル・タイムズ(FT)が確認した内部の日程表によると、決定は26年1月28日に延期された。 欧州委のセジュル
パラマウント、ワーナーに1080億ドルで買収提案 Netflixに対抗
米メディア大手パラマウント・スカイダンスがワーナー・ブラザース・ディスカバリーを1080億ドルで敵対的買収する方針を発表した。中東の政府系ファンドやトランプ米大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー氏が運営する米投資会社アフィニティ・パートナーズと組み、ネットフリックスによるワーナー買収合意の履行を阻止する。 パラマウントはスタジオや動画配信、ケーブルテレビ事業を含むワーナー全事業の価値を
女性CEO、「物言う株主」に狙われやすく
女性経営者は男性経営者よりアクティビスト(物言う株主)の標的になりやすい――。世界中の大企業の女性経営者が直面する特有の課題をまとめた最新の報告書から、こんな実態が浮かび上がった。 フィナンシャル・タイムズ(FT)が米調査会社コンファレンス・ボードから提供を受けた報告書によると、2018〜25年は米ラッセル3000採用企業で最高経営責任者(CEO)が女性の割合はわずか6.3%だったのに対し、同じ
サムスン電子、AI強化へM&Aを本格化
2016年、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(当時)は、同社の事業多角化に向けた大型買収に踏み切った。米車載オーディオ・電子機器大手ハーマン・インターナショナルを80億ドル(当時の為替レートで約8500億円)で買収した。事業多角化の一環で、デジタル技術の利用が進む自動車分野において、有力サプライヤーの地位を確保する狙いがあった。 それからほぼ10年がたち、李氏は会長として再び買収戦略に
銅争奪戦の激化を示すBHPのアングロ買収失敗(Lex)
家にステーキがあるのに、わざわざ高級レストランで外食する必要があるのか。豪資源大手BHPグループの投資家は疑問を抱いているかもしれない。同社は最近、英同業のアングロ・アメリカンに2度目の買収提案をしたが、失敗に終わった。アングロは銅資産が豊富で、銅はエネルギー転換や人工知能(AI)インフラを支える金属として需要が旺盛だ。しかしBHPは既に世界最大規模の銅資産を保有している。 BHPは買収にかなり
フォルクスワーゲン、中国製EVの開発コストを半減へ
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、中国で現地企業や研究開発体制を活用することで、電気自動車(EV)の開発コストを欧州生産に比べ最大50%引き下げられるとの見通しを示した。世界最大の自動車市場で競争力を失い、シェア奪回が急務となっている。 25日には、一連の投資を経て、初めてドイツ国外での車両開発が可能になったことを明らかにした。自動運転などの新技術の導入や現地での試験を含め、中国で車
インド財閥リライアンス、競合多い即配サービスで狙う覇権
インド西部ムンバイで夜明け前、何十人もの配達員たちが大手財閥リライアンス・インダストリーズ傘下のショッピングモールの地下から市内各地へと品物を宅配する。カシフ・サミールさん(25)もその一人だ。 「1日に20〜30件配達する」。15分前に注文された食料品を、混雑の激しい道をかきわけて1マイル(約1.6キロメートル)先まで届けたばかりのサミールさんはそう説明し、「客にとても好評だ」と続けた。 資金