仮面のチカラ（1）能面「小面」
仮面のチカラ（1）能面「小面」
仮面をつけることによって、見えてくるものを考察する。
能面というが、面だけだと「おもて」と読む。よく見ると能役者がつけている面は小さく、役者の顔を覆うのではなく、真ん中に置かれているようである。
面は顔ではなく、表情なのではないか。動かぬ彫り物のはずが、悲しみ、憂い、怒り、喜び……、その折々のあらゆる感情がひとつの面に湛（たた）えられる。面の力、能役者の力としか言いようがないが、観客もまた与（く…
美術の専門家がテーマに沿った10作品を取り上げ、鑑賞のポイントや時代背景を紹介する連載です。
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