社会人野球の新人選手を前後編で紹介する。後半は3年ぶりの全国大会出場を目指す七十七銀行(宮城)。新たに丸山陽太投手(23=法政大)、田村虎河捕手(22=東北学院大)、安藤榛哉投手(22=清和大)、本間乃空投手(22=神奈川大)の4人が加入。さらに、今季からは宇都伊織監督(42)が新指揮官に就任。新生・七十七銀行が大舞台出場への第1歩を踏み出した。
【取材・構成=木村有優】
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ゲームメーク力と制球力が売りの最速152キロ右腕・丸山は「任されたイニングを無失点で抑えること。与えられた役割を確実に果たしていきたいです」と、ルーキーイヤーの目標を力強く口にした。
磨きに磨き上げた渾身(こんしん)のスライダーは一級品だ。大学ではバイオメカニクスなどを学ぶ先輩らに、スライダーの回転について助言を受けた。その後も先輩らの下へ通い、ハイスピードカメラなどの最新技術を用いて、きれいな回転を身につけた。「いろいろな方にアドバイスをもらって導いてもらったスライダーなので、思い切って投げています」。さらなる成長を求めて、積極的に学ぶ姿勢は、丸山の魅力のひとつだ。
それだけではない。常に実力を磨き、夢も自らの手で切り開いてきた。高校野球の終わりも見えてきたころ、丸山は当時の最速140キロをマークした。これが“野球魂″にさらなる油を注いだ。「やっぱり野球を続けたい」。だが、一般入試組から野球部入部を受け入れる大学は数少ない。そこで東京6大学を勧められ、法政大を志した。学力の壁を感じ、1年後の受験を決めた。「野球をやりたい」。ただ、その一心で机に向かった。
晴れて入学をかなえた丸山は2年春にリーグ戦デビューを飾った。だが、その後右肘を痛め、トミー・ジョン手術を決断。1年5カ月のリハビリを経て、昨年9月に復帰した。「今後の課題はコンディショニングだと思っているので、毎日体と会話しながらケアしていきたいです」と話した。
野球ができる喜びと感謝を胸に、新天地でさらに高みを目指す。ここまでは、社会人野球チーム、日本IBMでもプレーした父一則さんの背中を追ってきた。「負けたくないという思いと、手術を含め支えてもらった分、長く野球をしている姿をみせたいです」と恩返しの思いも秘める。「自信を持って『丸山でいこう』と任せてもらえる存在になりたいです」。丸山の“野球物語″は、まだまだ続いていく。



