1949年12月1日付で創刊された「夕刊朝日新聞」に「サザエさん」の連載がはじまりました。

 「サザエさん」は、それまで福岡の地方紙「夕刊フクニチ」や「東京スポーツ」の前身にあたる「新夕刊」でも連載されていて、単行本の5巻冒頭が「夕刊朝日」連載の第1回にあたります。

 1949年ごろというのは、終戦直後の混乱期に比べ新聞用紙をとりまく状況も改善されたために夕刊の創刊が相次いだ時期でした。11月26日に毎日が「夕刊毎日」を、読売が「夕刊読売」を発行したのに続き、地方有力紙も次々と夕刊紙を出し、激しい競争の時代となりました。

 そんな時代を反映してか、「夕刊朝日新聞」での「サザエさん」第1回は、フネさんが「今日から夕刊が出るんじゃない?」とサザエさんにたずねる場面から始まります。

 サザエさん、マスオさん、タラちゃん、波平さん、フネさん、カツオくん、ワカメちゃん、7人の磯野・フグ田家2世帯同居の日常を描き、時々の世相を映した連載は51年に朝刊に移り、何度か休載をはさみながら74年2月21日まで続き、69年からはアニメも放送開始。国民的な人気作品となりました。

 なお「夕刊朝日新聞」は、51年10月1日に朝日新聞の朝夕刊のセット発行を再開したのに伴い、朝日新聞の夕刊に統合しました。

朝日新聞オリジナルキャラクターで、白い付け髭を付けた黒猫のマダニャイが髭に手をあてているイラスト

 マダニャイ
(朝日新聞オリジナルキャラクター)

 夏目漱石著「吾輩は猫である」の有名な書き出しからつけられた。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ」
 年齢は不明だが、こう見えて子猫である。
 文学、とくに夏目漱石の作品が大好き。文豪に憧れていて、実はつけひげである。
 好物はサバ缶。

朝日新聞社小史ページ(全体)はこちら