■「時をよむ」　論説委員室から　「あのときと同じだ」　静岡市の弁護士、河村正史さん（78）は声が出た。法制審議会の部会で進む再審法改正の議論が、半世紀以上前の国会論戦と重なったからだ。　1968年、「再審特例法案」が議員提案された。連合国軍…

高市早苗首相が「憧れの人」と公言し、再び注目された英国のマーガレット・サッチャー元首相。サッチャー氏による新自由主義改革が、戦後の福祉国家がもたらした「衰退」を打開した――。そう語られてきた「常識」の見直しが進んでいる。その背景と今日への示…

世界の人口の半分以上は、必要とする医療を受けられていない――。そんな現状の改善に、日本は６０年以上の「国民皆保険」の経験を生かして貢献できることがある。同時に、少子高齢化の大波をかぶる国内で医療の格差が広がらないよう、その価値を学び直す機会…

半世紀以上にわたる独裁は去ったが、民主化への道のりは遠い。民族、宗教が複雑に入り組む中東では、一国の不安定化が地域全体に影響を及ぼす。国際社会は関心を失わず、支援と関与を続けたい。　中東のほぼ真ん中に位置するシリアで、父子２代にわたって強権…

国際刑事裁判所（ＩＣＣ）の赤根智子所長は、オランダの執務室に「大象無形（たいしょうむけい）」と書かれた書を飾っているという。今月初めの年次総会で赤根さんはそう語り、「大きな理念を見てほしい」と呼びかけた。真に偉大なものは見える形を持たないと…