ことし8月28日に開幕するパリパラリンピック。その代表選手を競技別に紹介していきます。このページではゴールボールの代表選手です。

ゴールボール代表:男子6人 女子6人
【選手情報】①生年月日 ②出身地 ③出身校 ④主な戦績
≪女子≫
高橋利恵子選手
広島県出身・2回目

高橋利恵子選手は広島市出身の26歳。2大会連続のパラリンピック出場です。
目の病気で生まれたときから視力が弱く、特別支援学校でゴールボールを始めました。
ポジションは3人の選手の中で中心に位置し、守備の要となる「センター」で、パラリンピック初出場となった東京大会で銅メダル獲得に貢献しました。
去年(2023年)、日本代表のキャプテンを任され、チームメートと細かくコミュニケーションを取りながらゴールを守りきる守備力に定評があります。
チームを引っ張り、2012年のロンドン大会以来となる金メダル獲得を目指しています。
①1998年3月20日
②広島県広島市
③筑波大学大学院
④東京パラリンピック銅メダル
2023年アジアパラ大会銀メダル
2023年ワールドゲームズ銀メダル
2022年世界選手権5位
萩原紀佳選手
埼玉県出身・2回目

萩原紀佳選手は埼玉県川口市出身の23歳。2大会連続のパラリンピック出場です。
「網膜芽細胞腫」という目の病気で、右目の視力はなく、左目は0点06ほどでトイレットペーパーの芯からのぞいているように真ん中だけが見える視力だということです。
7年前(2017年)に友人の紹介で競技を始めると、オフェンス型の選手としてすぐに頭角をあらわし、相手が反応しにくい音をあまり鳴らさず速いボールを投げることを得意としています。
チーム最年少の20歳で初めて出場した東京大会では、出場した選手の中で全体の2番目となる25得点を挙げる活躍をみせて銅メダルの獲得に貢献しました。チームの得点源となる中心選手です。
①2001年3月3日
②埼玉県鳩ケ谷市
③埼玉県立特別支援学校塙保己一学園
④東京パラリンピック銅メダル
2023年アジアパラ大会銀メダル
2023年ワールドゲームズ銀メダル
2022年世界選手権5位
天摩由貴選手
青森県出身・3回目

天摩由貴選手は青森県八戸市出身の34歳。生まれたときから視野が狭くなっていく病気で、高校と大学では陸上に打ち込み、ロンドンパラリンピックでは陸上女子の100メートルと200メートルの視覚障害のクラスに出場しました。
その後、ゴールボールに転向してリオデジャネイロ大会に出場し、パリ大会は陸上を含めると4大会連続の出場となります。
もともとはライトのポジションでプレーしていましたが、守備力を生かして今はレフトのポジションでもプレーしています。
守備ではボールをはじいたあとのカバーの速さに定評があるほか、攻撃でも相手の嫌がるコースに正確に投げ込むコントロールがあり、ユーティリティープレーヤーとしてチームを支えています。
①1990年7月26日
②青森県八戸市
③日本大学大学院
④東京パラリンピック銅メダル
リオデジャネイロパラリンピック5位
2023年ワールドゲームズ銀メダル
2022年世界選手権5位
安室早姫選手
沖縄県出身・初出場

安室早姫選手は沖縄県八重瀬町出身の31歳。パラリンピック初出場です。
「網膜芽細胞腫」という目の病気で、1歳のころに視力を失いました。
中学生までは沖縄県で、高校生で東京・文京区の筑波大学付属視覚特別支援学校に進学し、ここでゴールボールと出会いました。
ポジションは守備の要となるセンターですが、攻撃の要となるレフトのポジションもこなします。
ボールを掲げて振り下ろしながら投げる特徴的な投球フォームからコントロールよくコースに投げ込むのが持ち味で、攻守にわたっての活躍が期待されます。
①1993年3月5日
②沖縄県島尻郡
④2023年ワールドゲームズ銀メダル
2022年世界選手権5位
新井みなみ選手
埼玉県出身・初出場

新井みなみ選手は埼玉県出身でチーム最年少の21歳。パラリンピック初出場です。
先天性の目の病気で、大きな文字は読めますが、小さい文字は近くでも見えない視力だということです。
高校1年生のときにゴールボールと出会い、高校の先輩だった▽男子の日本代表、佐野優人選手や、▽女子の日本代表、萩原紀佳選手が東京パラリンピックで活躍する姿を見て、本格的に競技を始めました。
身長1メートル75センチの長身を生かした攻撃的なプレーが持ち味で、去年、中国・杭州で開かれたアジアパラ大会で初めて代表入りしました。
パリ大会に向けては持ち味の攻撃力のほか課題だった守備の技術も上がってきていて、成長著しい期待の新星です。
①2003年1月22日
②埼玉県さいたま市
④2023年アジアパラ大会銀メダル
小宮正江選手
福岡県出身・5回目

小宮正江選手は福岡市出身の49歳。5回目のパラリンピック出場です。
小学2年生の時に目の難病「網膜色素変性症」と診断され、視力のほとんどを失いました。
社会人になったあと通い始めた福岡視力障害センターでゴールボールを始め、日本が初めて出場し銅メダルを獲得した2004年のアテネパラリンピックに出場するなど、女子の第一人者です。
このうち、2012年のロンドン大会はキャプテンとして臨み、パラリンピックの団体競技として初めてとなる金メダル獲得に貢献しました。
攻撃と守備のバランスがとれた選手で、特に勝負所で得点を上げる攻撃力が評価されています。
また、動揺するような展開があってもチームメートに冷静にアドバイスを送るなどチームの精神的支柱となる存在です。
①1975年5月8日
②福岡県福岡市
④ロンドンパラリンピック金メダル
アテネパラリンピック銅メダル
2023年アジアパラ大会銀メダル
2022年世界選手権5位
≪男子≫
金子和也選手
埼玉県出身・2回目

金子和也選手はさいたま市出身の24歳。小学1年生から野球を続けてきましたが、9歳になった4年生の時に視力が低下し、視界の中央が暗くなる目の難病「レーベル遺伝性視神経症」を発症しました。
その後、中学3年生の時、パラアスリートの発掘事業でゴールボールに出会いました。
世界でもトップレベルに速いグラウンダーと呼ばれる低いボールと高いバウンドをつけたボールを投げ分ける多彩な攻撃のバリエーションが持ち味です。
東京大会以降、チームは筋力アップを目指し、金子選手の筋肉量は10キロ上がっていて、より力強いボールが投げられるようになりました。
世界に数人しかいない貴重な左利きの選手でことしからキャプテンを務め、日本代表を引っ張る存在となっています。
①2000年2月8日
②埼玉県さいたま市
③埼玉県立特別支援学校塙保己一学園
④東京パラリンピック5位
2024ネーションズカップ銀メダル
2023ワールドゲームズ金メダル
佐野優人選手
埼玉県出身・2回目

佐野優人選手は埼玉県狭山市出身の24歳。もともと野球に打ち込んでいましたが、中学3年生のときに「レーベル遺伝性視神経症」という目の難病と診断され、視力を徐々に失いました。
その後、家族のすすめでゴールボールを始め、2017年に日本代表に初めて選出されました。
積極的に攻撃に参加するほか、ライトプレイヤーながらボールをはじかずキャッチングする安定した守備力が評価されています。
①2000年6月20日
②埼玉県狭山市
③順天堂大学
④東京パラリンピック5位
田口侑治選手
広島県出身・2回目

田口侑治選手は広島県竹原市出身の33歳。
10歳の頃に目の難病「網膜色素変性症」と診断された田口選手は小学生から高校まで剣道に打ち込んできましたが、その後、国立障害者リハビリテーションセンターでゴールボールを始めました。
東京大会以降、筋力トレーニングの量を増やし、ディフェンスをする際に必要になる大胸筋を大きくするなどした結果失点率が下がりました。
チームのムードメーカーで、ゴール中央を守るセンターとして、若い選手と積極的にコミュニケーションをとりながら両脇の2人の選手との間に隙間を作らない高い守備力に定評があります。
①1991年2月16日
②広島県竹原市
③国立障害者リハビリテーションセンター
④東京パラリンピック5位
2024ネーションズカップ銀メダル
2023年ワールドゲームズ金メダル
宮食行次選手
大阪府出身・2回目

宮食行次選手は大阪府吹田市出身の29歳。小学校5年生の時に目の難病「網膜色素変性症」と診断されました。
幼いころから野球やソフトボールに打ち込んできましたが、7年前(2017年)に日本ゴールボール協会が企画したプロジェクトに参加したことをきっかけにゴールボールを始めました。
1メートル82センチの長身を生かした守備と高さの異なるバウンドをつけたボールを投げ分けることができる攻撃力が評価されています。
①1995年3月20日
②大阪府吹田市
③大阪府立大阪北視覚支援学校
④東京パラリンピック5位
2023年ワールドゲームズ金メダル
鳥居陽生選手
神奈川県出身・初出場

鳥居陽生選手は神奈川県小田原市出身の20歳。初めてのパラリンピック出場です。
幼少期に野球を始め、推薦で高校に進み野球部に入部したものの1年生のときに目の難病「レーベル遺伝性視神経症」と診断され、甲子園の夢は絶たれました。
それでも、高校2年生で本格的にゴールボールを始め、ライトを中心にボールに高い回転力を加え、中に入っている鈴の音をほぼ出さない特殊な投球が持ち味で高い得点能力が武器の選手です。
去年(2023年)、強化指定選手に選ばれるなど期待の若手選手です。
①2004年8月7日
②神奈川県小田原市
③明徳学園 相洋高等学校
④2024ネーションズカップ銀メダル
萩原直輝選手
東京都出身・初出場

萩原直輝選手は東京都稲城市出身の27歳。初めてのパラリンピック出場です。
18歳のときに目の難病「レーベル遺伝性視神経症」を発症しました。
もともとはウイングでプレーしていましたが、身長1メートル78センチの身長を生かすためセンターに転向し、安定したディフェンス能力に定評があります。
競技開始から3年で日本代表の強化指定選手に選ばれていて、今回の代表の「秘密兵器」と言われています。
①1996年10月28日
②東京都稲城市
③国立障害者リハビリテーションセンター
④2024ネーションズカップ銀メダル