第2次トランプ政権の2年目はどのような経済状況となるのか。カギを握るのはAI(人工知能)投資と、新たに打ち出される財政・税制政策の行方だ。
足元のアメリカ経済は堅調を維持しているが、プラス、マイナスの要素が共存している。
トランプ関税の導入で急上昇が心配されたインフレ率(コアCPI〈消費者物価指数〉伸び率)は、2025年9月時点で前年比3.0%増と、政権発足時(1月)の同3.3%増からむしろやや減速している。米企業は自社製品の市場シェア維持を優先して価格転嫁を控え、関税コストの大部分を吸収している。
8月までの米政府の関税収入は1500億ドル(約22.5兆円)に上る。ただ、このうち米企業が消費者に転嫁したのはわずか2割。とくに仕入れ先がアジアなどの高関税国に偏る中小企業は、関税負担を転嫁できずに疲弊している。
AIがアメリカ経済を押し上げる
こうした弱さを覆い隠すのがIT企業によるAI投資だ。25年、巨大テック(マグニフィセント7)の投資は約4000億ドルが見込まれ、GDP(国内総生産)の1%強に相当する。
最近ではAIビジネスの収益性に弱気の見方も出ているが、アメリカではいち早くAIが企業活動に浸透し、着実に成果を出し始めているのも事実だ。下図のように、AIの活用方針を示している企業の割合は、23年時点は2割程度だったが、直近は半数に迫る。





















無料会員登録はこちら
ログインはこちら