Japanese
2026年05月号掲載
Laughing Hick
Member:ホリウチコウタ(Vo/Gt) TAICHI(Dr) あかり(Ba)
Interviewer:山口 哲生
Laughing Hickが、デジタルEP『ハロー ノットグッバイ』を完成させた。鋭い視点で切り取った生々しい恋模様を描きつつも、ここまで着実にバンドの音楽性を広げてきた3人だが、EPとしては約2年3ヶ月ぶりとなる本作は、ポップネスを磨き上げながらさらにその幅を拡張させていて、バンドが新たなフェーズに入ったことを強く感じさせる一枚になっている。最終公演をZepp DiverCity(TOKYO)に設定したワンマン・ツアーを控えたなか、この大充実作についてじっくりと語ってもらった。
-最新EP『ハロー ノットグッバイ』は、Laughing Hickの音楽性をさらに押し広げつつ、よりポップネスが光るものになっていて。かなりの充実作ですね。
ホリウチ:今作はフェーズが変わるぐらい新しいものにトライした印象があって。学生時代の自分が聴いてもワクワクドキドキするようなものに重きを置きつつ、また新しいLaughing Hickが書けたんじゃないかなと思ってますね。
TAICHI:うん。ラフィング(Laughing Hick)らしさはしっかり残っているなかで、1段階、2段階、さらに自分たちの音楽性みたいなものを前に強く出せたような印象です。なんか、やってしまったというか(笑)、できてしまったなという自信はめっちゃありますね。
あかり:今回は6曲入っているんですけど、曲ができた時期は結構違っていて。古いものだとコロナ禍にできたものもあったりするんですけど、改めて曲を詰めていくなかで、今のLaughing Hickとして一番いい形を取ることができたかなと思っています。作った時期がそれぞれ違っていたとしても、6曲集まったときに"これぞLaughing Hick!"っていう一枚にできたのが良かったなと。
-ちなみにコロナ禍にできた曲というと?
あかり:「グッナイ、グッバイ。」ですね。2020年に第1稿があったので、もう6年前とか。
ホリウチ:6年!? そんなに前!?
TAICHI:うん。第1稿はそれくらいの時期だったかも。
-かなり寝かせてましたね。コウタさんとしては、"フェーズが変わるぐらい新しいもの"にトライするという意識で最近の曲は作っていたと。
ホリウチ:わりと意識してましたね。売れたいという思いと、尖りたいという思いの中間というか。いいバランスを取りながら作れたかなっていう感覚はあります。
-ご自身の中で、特にバランスがいいと思う曲というと?
ホリウチ:「コラソン」とか「ogorareya」は、今までの中でも新しい恋愛の形を書けたなと思いますね。フェーズが変わった感覚は自分の中では結構あります。
-「コラソン」は今作のリード・トラックで、ラテンの香りが漂う情熱的な楽曲ですけども、どういうところから作り始めたんですか?
ホリウチ:最初にサビの"あなたに捧げた⼼臓がさ/あなたなしで動いている"ぐらいまでは、ギターを弾きながら言葉とメロディが一緒に出てきて。その後でバンド・アレンジをどうしようかっていうときに、リズムをラテンにしました。
-なぜまたラテンに?
TAICHI:情熱的=ラテンな感じが合うんじゃないかっていう。
あかり:「女だから」(2022年リリースのデジタル・シングル『女だから』表題曲)だったり、「愛なんて嘘は置いといて」(2024年10月リリースのデジタル・シングル『オリオン/愛なんて嘘は置いといて』収録曲)とか「休憩と宿泊」(2024年2月リリースのデジタルEP『カフェオレ』収録曲)みたいな、どちらかと言うと人には言えない恋愛を歌ってきたなかで、そことどうやってサウンド面やリズム面で差を付けていくかっていう。それで、今までやってきてなかったけど自分たちも好きだなって思う音像にトライしていった感覚でしたね。今まではロックの中で歌ってきたちょっと毒素のある曲を昇華させるというか。もっとポップスに、もっと淫靡に、みたいなイメージで進めていきました。
-そこでラテンが出てきたのも自由さがあっていいですよね。ギター・ロックで、ライヴハウスでとなったときに、選択肢にあまり入ってこないような印象もあるというか。
TAICHI:たしかに。いい意味での歌謡感もちょっとあったから、そこも合うなっていうふうには思いましたね。
-ドラマーとしてはどう臨みました? ラテンとは言ってもベタベタな感じではないわけですけど。
TAICHI:うん。そうですね。情熱的な恋愛の曲なので、リズムを立たせて軽快にいくよりは、ちょっと引っ張られるようなニュアンスのほうが楽曲の主人公の気持ちと合うだろうなと思って、いろいろトライしていきました。
-そこのさじ加減が難しそうですね。リズムを立たせすぎてしまうと、という。
TAICHI:そうなんですよ。全部の楽曲に言えることではあるんですけど、曲によって主人公像が全然違うので、そこをどう表現するかっていうのはめちゃめちゃ考えました。その楽曲に対しての一つの正解みたいなものは、自分の中でしっかり落とし込めたかなって思いますね。「コラソン」も、自分の引き出しにはなかったものにもトライしながら、ラテンが軸にあるようなタムのフレーズとか、面白いものを入れ込めたと思います。
あかり:ベースも新しいアプローチをしていて。音が動いてる印象だったり、他の竿とかドラムと違うリズム・パターンを弾いているシーンも多いんですけど、主人公のどこか引きずっている感じに対して、どうやってベースでまとわり付くように弾けるか、でも引っ張りすぎてもいけないし......みたいなところはすごく考えましたね。
-なるほど。どれぐらい引っ張るのかという。
あかり:この主人公の根に持っている感じだと、"なんか気になるなぁ"ぐらいがいいんだろうなって。引きずってる感みたいなものを表現するために、言葉が抜けるようにしながらその加減を探るっていうところはすごく意識しました。
-サビはパッと出たとのことでしたが、構成としては2段階で展開していくような感じにもなっていて。その辺はいろいろ考えられたんですか?
ホリウチ:そうですね。最初はラスサビだけ今の形にしようかなと思ったんですけど、ワンコーラスにどこまで詰め込んで完結させるかというのを考えたら、1サビにも必要だなって。それでこの形にしました。
-そういった曲展開みたいなものを意識しながら作ることが最近は多かったりします?
ホリウチ:最近はより展開が面白い方向に進んでいる気がします。例えば、1番のAメロ、Bメロ、サビ、2番Aメロ、Bメロ、サビ、落ちサビ、大サビみたいな、わりとオーソドックスな曲をライヴでやっていると、間延びしている感じが結構あって。もうちょっと面白いことしたいな、これだと自分が飽きちゃうなみたいな感覚がどんどん出てきて、動かしちゃえ! みたいなことを考えるようになりましたね。
-ライヴで体感していることもそうですし、世に流れている音楽の構成も確実に変わってきていることも踏まえつつ。
ホリウチ:そうですね。みんなじっと聴かなくなっているだろうし、展開がないと飽きてしまうのかもしれないし......という、令和のリスナーに対してのアプローチも考えたりはします。「愛してるって」(2019年リリースの1stアルバム『DOPAMINE』収録曲)も、TikTokでバズったのはAメロだったので、"その曲が何回打席に立てるか?"というのは結構意識してます。1曲の中で同じメロディが続いちゃうともったいないみたいな感覚はわりとありますね。
-もう1曲、いいバランスで作れたと挙げられていた「ogorareya」は、世の男性の大多数が激しく頷きそうな......(笑)。
ホリウチ:はははははは(笑)。
-今、TAICHIさんも深く頷いてますけど。
TAICHI:いやぁもう(笑)。代弁してくれたじゃないですけど、これを書いたのはすごいよね!? ってめっちゃ思いました。コウタの世界観が炸裂してます。
-どんなところから書き始めたんですか?
ホリウチ:昨今、マッチングアプリからスタートする恋愛が多くなってきたなかで、相手を値踏みしている感じがあるなと思っていて。そういうところを皮肉に、ポップに仕上げて、Laughing Hickのフェーズが新しく変わった瞬間みたいなものを書いてみようかなっていうところから作り始めました。
-SNSで見かけるような相手を値踏みしている場面について、この曲では男性の憤りを描いていますけど、これをリアルに掘り下げていけばいく程地獄だと思うんです(笑)。ただ、この視点を切り取ることで、胸のすく思いをする人はかなりいるだろうなと思いました。
ホリウチ:この曲はAメロからずらーっと書いていったんですけど、たぶん自分の中にも思うところがあったんでしょうね。"奢られ屋"に対する自分の気持ちも乗せつつ、社会的に提案もしつつ。曲を作り始めたのは知人の話がきっかけではあったんですけど。
-怒ってました? その知人の方は。
ホリウチ:いや、話を聞いた知人は女性なんですよ。その人の実体験を聞いて、男性側はどういうふうに思ったんだろうなってところで書いていきました。
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