荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのアニメ最新作「スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険」1st STAGEが、Netflixにて世界独占先行配信中。1890年のアメリカを舞台に、人類史上初となる乗馬による北米大陸横断レース《スティール・ボール・ラン》に出場する、ジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリの活躍を描く物語だ。2nd STAGEは、2026年にNetflixで世界独占先行配信予定。
コミックナタリーでは、YouTubeチャンネルおよびTwitchの登録者数100万人超の人気ストリーマー・k4senにインタビューを実施した。k4senは、実は生粋の「ジョジョの奇妙な冒険」ファン。特に「スティール・ボール・ラン」には、「僕が人生で出会った作品の中でも5本の指に入るぐらい好きな話」というほどの深い愛情を注いでいる。そんな彼が、アニメ「スティール・ボール・ラン」を「『ジョジョ』ビギナーにこそ観てほしい!」と語る理由とは。
取材・文 / 後藤悠里奈
アニメだからできる表現をたくさん感じた「スティール・ボール・ラン」
──現在配信中のアニメ「スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険」をご覧になった感想を教えてください。
「スティール・ボール・ラン」は北米大陸横断レースを描いたお話ですけど、実際に馬が走ってどんどんアメリカを渡っていくという勢いがものすごくうまく表現されていて、とても面白かったです。マンガだからこそできる表現もあると思うんですけど、「スティール・ボール・ラン」はアニメだからできる表現みたいなものもたくさん感じました。牛の死体で坂を滑るところとか、めちゃくちゃ疾走感があって、あれをアニメにできることが純粋にすごいなと思いましたね。作るの、めっちゃ大変だっただろうな……って(笑)。あと、「配信されるのはまだ1話だけだよ」と聞いて、「えー!? 1話だけなの!?」ともなりました(笑)。
──特に印象に残ったシーンは?
やっぱり、今も少し触れた牛の死体で滑り降りるシーンですね。でもほかにも序盤の、ジョニィが鉄球に触っちゃって腕がクルクルになって建物にピタ……となるシーンとか、橋がぶっ壊れるシーンの迫力とか、印象に残っているシーンはたくさんあります。ジョニィが病院で「オレのだ…ク…クソをもらしてる……オレ……小便も…」と泣くシーンは声優さんの演技もすごかったですし、もう全部のシーンがめっちゃ面白かったです!
──k4senさんが考える「スティール・ボール・ラン」の物語の魅力とはなんでしょう。
「スティール・ボール・ラン」って、まさに“旅”なんですよ。最初のきっかけは主人公のジョニィが「自分の脚を動かしたい」と思ったところから始まるんですけど、ジョニィとジャイロがどんどんアメリカを渡っていって、いろんな敵と立ち向かう中で、2人の絆を深めていく。そこが「スティール・ボール・ラン」の面白いところなのかなって思いますね。「ジョジョ」シリーズにはほかにも旅をする話はありますけど、その中でも「スティール・ボール・ラン」は2人旅というところがアツくて。2人ともいい感じに若いんで、ちょっとくだらない話をしたりもするところもいいですし、お互いの秘密を打ち明け合うところも関係が深まっていくのをめちゃくちゃ感じられて。相棒感が特に強くて、すごく好きですね。
「ジョジョ」ビギナーにこそ観てほしい、アニメ「スティール・ボール・ラン」
──k4senさんは以前、ご自身の配信で「『スティール・ボール・ラン』は『ジョジョ』を知らなくても楽しめる」というお話をされていました。なぜそのように感じるのでしょう?
「スティール・ボール・ラン」って「ジョジョの奇妙な冒険」というシリーズの第7部というポジションの作品ですけど、第7部というよりは、“「スティール・ボール・ラン」という独立した物語として観られる”というところがほかの部とちょっと違うところかなって思っています。「ジョジョ」を知らない人が「第7部」と聞くと、「1から6もあるの?」ってなっちゃうと思うんですけど、「スティール・ボール・ラン」は時代設定も違うし、物語もキャラクターもそれまでの部との関係性を感じさせない作りになっているから、第1部から第6部までをまったく知らなくても楽しめるんですよ。もちろんそれまでの部を知っていたら「おおっ!」ってなるところはあるんですけど、別にここから読んでも困ることは全然なくて。ちゃんと「これからレースします。じゃあ、スタート!」という感じで一から物語が始まるので、そのまま入っていけるんじゃないかなと思います。
──過去のシリーズを知らないからこそ、新鮮に楽しめる部分もありますよね。
それでいて、ちゃんと「ジョジョ」らしい「ジョジョ」を楽しめる、みたいなところもあるじゃないですか。そういう意味で、ほかの部に比べたらかなり初心者向けなんじゃないかなと思いますね。今まで「ジョジョ」に触れたことがないって人には、ぜひとも今回の「スティール・ボール・ラン」アニメ化をきっかけに触れてみてほしいです!
──“「ジョジョ」らしい「ジョジョ」”と感じる要素とは、どんなところですか?
やっぱり、「ジョジョ」でずっと描かれてきた宿命みたいなものや“黄金の精神”のような精神性の部分は、第6部までの物語から引き継いでいるものがあると思うんですよね。だから、第7部を観てみてハマったらその後に第1部から第6部を観る、みたいな楽しみ方も全然アリだと思います。第7部を先に観ていると、それまでのシリーズを観たときに「あれ、この人、ラクダの……!?」みたいな発見もあると思いますし(笑)。ぜひそういった要素も探してみてほしいです。
──k4senさんが「スティール・ボール・ラン」をオススメしたいのはどんな人ですか?
スポーツ系のマンガやアニメが好きな人はハマりやすいんじゃないかなと思いますね。レースのアツさと勢いみたいな部分は、スポーツもののそれと似ているところがある気がするので。でも、基本的には万人向けの作品だと思います。「ジョジョ」って読んだことがない人からすると「入りづらそう」とか、「尖っていて特殊な作品」というふうに見えるかもしれませんけど、実際のところは誰が見ても面白い作品なんですよ。確かにセリフは特殊だけど、ストーリーは「旅をして、道中で出てくる敵を倒していって、最後に一番強い敵を倒す」という感じで意外と王道ですし、絵も「もはやアートでは!?」と思うくらいめちゃくちゃキレイですし。嫌いな人はいないんじゃないのかなって思います。
──今作から「ジョジョ」に初めて触れる方に注目してほしいポイントは?
僕は「ジョジョ」ってどの部もそれぞれにテーマがあると思っていて。なので、「スティール・ボール・ラン」も、それぞれのキャラクターがどういう信念で行動しているのかという、物語のテーマみたいなものを感じながら観ると面白いんじゃないかなって思います。例えばジョニィの場合は、「脚を動かしたい」というところから始まりますけど、物語が進むにつれてどんどん成長していくし、もちろんジャイロにもレースに出場する理由があるし。またライバルとなるキャラクターたちにも信念があるので、誰視点で観るかによって物語の印象が変わったりもするんです。そういういろんな視点で、ぜひ楽しんでほしいですね。
──ちなみに、「スティール・ボール・ラン」で特に注目してほしいキャラクターはいますか。
僕はジャイロと、2nd STAGEから登場するファニー・ヴァレンタイン大統領というキャラクターが好きなんです。なのでぜひ、その2人に注目してほしいですね。
──ジャイロとヴァレンタイン大統領のどういうところがお好きなんでしょう。
ジャイロはやっぱり“Lesson5”がよすぎて。ファンの間ですごく有名なセリフがあるんですが、もうどれだけうまいことを言うんだ……と、初めて読んだときは震えました。ここでめっちゃジャイロが好きになりましたね。ヴァレンタイン大統領は、彼の独特な信念も好きだし、カッコよくて。あと、もう1人、ルーシーも注目です。たぶん1st STAGEでは「急に夫に甘えられる、謎の一般人」みたいな立ち位置だと思うんですけど(笑)、その彼女がすごくがんばっていって、ハラハラするけど勇気をもらえるので、ぜひ注目してほしいです。そう考えるとみんな好きだ。本当にいいキャラクターが多くて、「スティール・ボール・ラン」は大好きですね。


