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追跡 公安捜査

ある中小企業を襲った冤罪事件で、公安警察の捜査に疑念が持たれています。その内幕を追跡してきた記者が取材録をつづります。

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大川原冤罪 警視庁が捜査員1人に求償の意向 監査請求で明かす

非公開の意見陳述の様子を報道陣に話す高田剛弁護士(右)=東京都新宿区西新宿2の東京都庁前で2025年12月16日午前11時34分、遠藤浩二撮影 拡大
非公開の意見陳述の様子を報道陣に話す高田剛弁護士(右)=東京都新宿区西新宿2の東京都庁前で2025年12月16日午前11時34分、遠藤浩二撮影

 化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件で東京都が支払った約1億8500万円の損害賠償を巡り、警視庁公安部の幹部と捜査員の計3人に求償するよう大川原側が都に求めた住民監査請求の意見陳述が16日、都庁であった。警視庁側は非公開の手続きの中で、捜査員1人に賠償額の負担を求める求償権を行使する意向を示した。ただ、幹部2人への求償は見送るとした。

 3人は、捜査を指揮した公安部外事1課の渡辺誠管理官と宮園勇人係長、部下の安積伸介警部補(肩書はいずれも当時。渡辺、宮園両氏は定年退職)。安積警部補は違法な取り調べをしていたと東京高裁判決で認定されている。

 陳述後に取材に応じた大川原側によると、警視庁側は安積警部補について「求償権の行使を検討している」とする一方、渡辺、宮園両氏については警視庁全体が指揮機能不全に陥っていたことを強調して「重大な過失があったとは直ちには認められない」と述べたという。

 大川原側代理人の高田剛弁護士は「捜査幹部の責任が認められなければ全く意味がない。監査委員はしっかりと検討し、2人にも求償権を行使する監査結果となるよう期待したい」と述べた。

 監査結果は2026年1月中旬までに出される。【遠藤浩二】

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